BSI(英国規格協会)、AI管理のための対策パッケージを提供開始
英国規格協会(British Standards Institution、以下「BSI」)は、同協会が実施した「AI(人工知能)に対する信頼度調査」において61%がAI技術の国際的なガイドラインを望んでいるとの結果を受け、社会全体でAIを安全・安心、かつ責任をもって利用可能にするために策定された新しい管理システムの認証を含む、新たな対策パッケージを発表しました。
このパッケージは、先日発表されたAIの国際的な管理システム規格(BS ISO/IEC 42001)に準拠しています。そして企業・組織が責任を持ってAIを利用することを支援し、不透明な自動意思決定、システム設計の際に人の手でコード化されたロジックではなく機械学習を活用すること、そして継続的な学習などの考慮事項に対処することを目的としています。
■BSI最高経営責任者 Susan Taylor Martinのコメント
「AIは変革をもたらす技術ですが、AIが世の中に資する力となるためには信頼が不可欠です。これは組織が責任を持ってAIを管理する力を持つための重要なステップであり、そうすればAIを活用してより良い未来と持続可能な世界に向けた進歩を加速させる機会をもたらします。BSIは、AIが社会全体に安全かつ信頼できる形で統合されるための最前線の役割を担っていることを誇りに思います」
このパッケージはAIへの信頼を培うために組まれたBSIのAIサービスのポートフォリオを元に作成されました。これには複雑なAI関連の標準や規制に対応するために必要な知識とスキルを個人や組織に提供するAIトレーニングコースなどが含まれています。急速に進化するこの分野では、AIが持つ倫理、法律、コンプライアンスの側面を理解することが責任ある持続可能な発展の実現に不可欠です。
アルゴリズムテストは、AIシステムの信頼性、精度、性能に直接影響するため最も重要な要素です。機械学習モデル、ディープニューラルネットワーク、自然言語処理などのAIアルゴリズムは、AIアプリケーションの意思決定プロセスを支えています。BSIの厳格なテストは、これらのアルゴリズムの正確性と効率性の検証を行い、そのAIが信頼できる結果を出し、実世界のシナリオに対して最適のパフォーマンスを出すことを確証するために不可欠なものです。
BSIはまた、自社のAI技術が責任を持って倫理的に使用されていることを確認する方法を必要としている組織向けに、AIエクセレンス・ベンチマーク・アセスメントを提供しています。アセスメントは組織に責任あるAIの実用を促進し、AIが普及した未来社会での成功に導くように設計されています。
BSIは、EUのAI法の進展を受け、ノーティファイドボディ(資格認証機関)による監督が必要となるAI製品に対するノーティファイドボディになるという目標を持ち、併せてAI対応製品やAI管理システムのAIエクセレンス・ベンチマーク・アセスメントを積極的に求めるメーカーやソフトウェア・プロバイダーにサービスを提供しています。
■BSI規制サービス担当グループディレクター Manuela Gazzardのコメント
「機器類を含む医療、運輸、建築環境などセクターを問わず、AIの普及範囲を広げようとするにあたっては、安全で倫理的な導入で、イノベーションと進歩を補完することが重要です。BSIが画期的な新しいAI管理規格に沿ったトレーニングと監督を含む包括的なパッケージを開発し、組織がイノベーションを最大限に活用し、それが社会に利益をもたらす力となるよう支援していることを嬉しく思います」
BSIが世界9カ国の成人1万人を対象に実施した「AIに対する信頼度調査※」によると、世界全体の5分の3がAIの安全な利用を可能にする国際的なガイドラインを望んでいることが分かりました。世界の5分の2近く(38%)はすでにAIを毎日仕事で使用しており、3分の2以上(62%)は2030年までに各業界でAIが使用されることを期待しています。この調査では、「AIに対する信頼度の格差」を解消し、技術に対する信頼を築くことが、社会と地球に対するAIの恩恵を促進する鍵であることが明らかになりました。
BSIのAIサービスについての詳細はこちらをご覧ください。(英語)
URL:https://www.bsigroup.com/en-GB/our-expertise/digital-trust/artificial-intelligence/
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